奥成達資料室blog版

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2007年 10月 08日

「時間」第8巻第12号

c0069542_1929963.gif「時間」
1957.12
表紙絵:田畔輝久
カット:田畔輝久・飯能次夫

編集兼発行人:田畔忠彦
印刷:「時間」印刷所
発行所:時間社


p1)「時間」の新たな出発——打ちあけ話を中心に—— 櫻井勝美
……わたしはどうも数字をとりあつかうことが不得手で……「入門」の企画や編集に、関係の同人たちとともに文学的に苦しみまた楽しんでいるあいだに、「入門」の赤字は、毎月毎月、蓄積されつつあったわけだ。わたしたちは経済面は北川冬彦氏におんぶして、ぜんぜん頭を向けなかった。……並々ならぬ赤字を北川家に負わしてしまった。この点、氏の近くにあって、早期にうつ手を考えることのなかったわたしの血のめぐりのわるさを全く申しわけないことと思っている。……「現代詩入門」は休刊になったが、いままでの読者・会員のほとんどすべてが、「時間」の会員となって、いよいよネオ・リアリズムの本舞台でさらに現代詩の勉強をつづけていくことになった。「入門」の「芽」欄が、「時間」の「会員作品」欄となってふたたびすがたをあらわした。……去る十月二十七日(日)の「時間」東京研究会は、「入門」休刊後、最初の研究会であったが、新しい傾向としては、いままで「入門」の会員・読者であった若い人々が、こんどは「時間」の新メンバーとして多数出席し、いきいきとした発言をしてくれたことである。若い人々の率直な声のひびきには、つよく心うたれるものがあった。「時間」はますますよくなるぞとの確信をふかめている。なお『時間詩集』刊行の仕事は、目下すすめられている。

P19) 新準同人作品
公園  奥成達 

ベンチに水色の風船を持った子供が寝ている

と、
爆音と共に飛んできた飛行機と警笛を発しながら疾走してきた自動車とが、
その水色の風船の影に吸いこまれてしまった

やがて、
風船は静かにしぼみだし、
音もなく地上に落ちた。

子供は寝ている。

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by 4-kama | 2007-10-08 13:19


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