2005年 03月 24日

『風雲ジャズ帖』

c0069542_19432466.gif
山下洋輔『風雲ジャズ帖』 音楽之友社 1975

ブックデザイン 菊地信義+清水敬啓 表紙・扉写真 ニコン植村式超高速度カメラによるライフル銃発射時の銃口写真 第3部ジャズ対談写真 放電時に発生する音波の伝播 見返し・本文写真 岸本晋吾

P54)
大阪出身のSF作家筒井康隆さんが大金を持って「ピット・イン」にやってきた。……演奏後、パロディ漫画家の長谷邦夫さん「東京二十五時」編集長の奥成達さんなどと徒党を組んで飲み廻る。途中新宿の裏町のおっかない所で、奥成さんが急に、七種類のビッコの歩き方、というのを始めたり(この人は昔、さがし屋あら坊という芸名で素人寄席で活躍した)、筒井さんが、「さあ今晩は皆でここに泊まろう」といっていきなりつれ込み旅館のドアを開けたりするたびに、おれは飛んで逃げた。……

P127)
七一年初夏ー「ピット・イン」で演奏を終わり、パンツをはき替えていると、錦利弘の弟みたいな顔をしたゲジゲジ眉毛のアンチャンが、奥成達さんと一緒にはいってきた。非常に興奮していて、ドスのきいたシワガレ声でやたらと喋りまくる。「すごい! すごい! この演奏は地球一個分の重みがある」などと、あまり容貌に似合わない言葉をはいたりする(後で知ったのだが、彼は詩人になろうとして東京に出て来たのだ)。奥成さんが、三上寛という歌い手だと紹介してくれた。……

P129)
「三上寛と山下トリオの記念写真」というキャプションの写真に、奥成達とながたはるみも映っている。

1982年、文庫化。
山下洋輔『風雲ジャズ帖』 徳間文庫 1982

p316)解説ーー山下洋輔一卵生双生児説? 相倉久人
 最後に、本書のオリジナル版にまつわる話題をひとつーー。……その箱(レコードでいえばジャケット)についている通称”オビ”(腰巻ともいう)が、当時雑誌『面白半分』がやっていた「腰巻文学大賞」にノミネートされ、大賞こそ逸したが、佳作に入選した。同誌に掲載されたその腰巻写真(?)には、虫めがねでかろうじて読める十行前後のコピーが移っているが、これはぼくの作。ただしこの賞の対象は、オビと制作した編集者とアート・ディレクターということになっていて、ぼく自身はなんの栄誉も受けていない。癪だから、そのコピーをここに再録してしめくくることにする。
”山下洋輔が鍵盤をたたくと、鉛の活字がたちまちしなやかな肉体を獲得して、いっきに暴れだす。その乱れ打ちは、スモッグただよう都会の夜に、とつじょ砂をまいて竜巻きが現れたように豪放で力強い。ジャズの楽しさがスウィング感にあるとすれば、これらの文章の魅力もまた、その行間を流れる独特のスウィング感にあるといえよう。”


■奥成達資料室/「面白半分」
YOSUKE YAMASHITA OFFICIAL WEB SITE
[PR]

by 4-kama | 2005-03-24 19:23 | 書籍ウェブ登場編


<< 『駄菓子屋図鑑』      『新宿ピットイン』 >>