2009年 01月 03日

『藤富保男詩集全景』

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『藤富保男詩集全景』
2008.12
沖積舎



『鍵られた部屋』から『正確な曖昧』へ 奥成達

 詩集『鍵られた部屋』(1959)は、『時間』同人時代の作品である。

 笑 わらわらった
 まずそれを見て
 大大的に頬に風をふくんで 笑
            (逃)

 こんな詩が北川冬彦主宰の詩誌『時間』に載っているだけで愉快だった。

……

 『正確な曖昧』(1961)の「仕方が泣く頃」は、この詩集の中でぼくがもっとも愛してやまない詩である。

 男は向うをむいて
 夕立のように去って行った

  から始まるこの長い詩は、

 肥った霧かもやが
 茫然とふってきて
 そして仕方が泣く泣く泣く泣くなって
 女はとけてしまう と

 芝生に一つの丸い石が
 ピリオドのように

 で、終る。
 少しもマニアックなどではない。そのままブルースにして唄ってみたいような詩である。
 「巨大な淋淋淋しい」(説明)リアリティが、たまらなく魅力的な詩集であった。 

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by 4-kama | 2009-01-03 19:45 |


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